子ども食堂で料理作成を行うにあたり、意識すべき衛生管理のポイントは以下の4つです。
私たちが運営している子ども食堂です。
毎月第3水曜日に実施しています。
場所は神奈川県の川崎市高津区にあります、プラザ橘の調理室をお借りして実施しています。
毎回、たくさんの方々にご利用いただいております。
ありがとうございます。
私は料理レシピの作成を担当させていただいていますが、料理を作成していく上でのこだわりがあります。
・手間暇かけていること
・大人も子供も「おいしく」感じること
・季節を感じること
・衛生上問題ないこと
今回は4つ目の「衛生上問題ないこと」をテーマにお伝えしてまいります。
これは料理を作る上での前提の話です。
作成場所
まず料理を作成する場所を考えます。
自宅であれば勝手がわかっていますが、場所を借りて実施する場合、下見は必ず行ってください。
1.手洗い場所はあるか
2.どんな加熱機器があるか、使えるか
3.冷蔵庫、冷凍庫の容量はどれくらいか
衛生的な視点ですと、最低でもこの3つは把握しましょう。
手洗いは料理を作成するスタッフはもちろん、食べに来てくれる方々にも、まずは手洗いを行ってからテーブルについてもらうように促してください。
加熱機器は何があるか、オーブンがあるか、ガスコンロしかないか、一度使用してみて火力がどれくらいあるかも把握しましょう。
火力の把握は調理時間がどれくらいかかるかにも繋がりますから、大切な要素です。
購入した食材、作成した料理を保管する、冷蔵庫、冷凍庫もチェックしましょう。
何をどれくらい入れるのか、来ていただける人数にもよりますが、ある程度予測を立てつつ、必要な容量があるのか見ます。
レシピ選定
加熱機器や冷蔵庫、冷凍庫の状況を把握したうえで、作ることができる料理を何にするか決めます。
1.加熱は十分にできるか
2.常温放置にならないか
「中心温度、75℃1分以上の加熱」
加熱をするものに関しては、このルールを守ることが食中毒予防に繋がります。
※2枚貝は中心温度85℃90秒以上の加熱
加熱に時間がかかるもの(かたまり肉の加熱等)は食事提供時間に間に合うか、逆算して作成する必要があります。
作成したものは冷蔵庫に保管しましょう。
夏場は特に、作業台に出しっぱなしにならないように注意が必要です。
食中毒菌は30℃~40℃の温度帯が一番活発に働きます。
この温度帯に食材、料理を放置しないようにしましょう。
個人の衛生知識
料理を作成するスタッフ全員が、衛生知識を持つことが大切です。
右側の桶は衛生環境が守られている調理場、左側の桶は守られていない調理場と思ってください。
右側は水が漏れませんが、左側は水が漏れてしまっています。
働く一人一人の衛生知識の差で水漏れの起きる、起きないが決まります。
板が短い箇所から水漏れしていますが、衛生知識が無い人(板が短い人)が一人でもいると危ういのです。
衛生知識が高い人の中に、知識が低い人が一人でもいると水漏れが起きてしまうから。
衛生知識が無い人が食中毒菌を持ったまま、料理作りをすると、周りの人にも食中毒菌が移りますし、作った料理にも移ってしまう可能性があります。
衛生知識はスタッフ全員の底上げをする意識が、責任者には必要です。
その上で、この2点を意識しましょう。
1.体調管理
2.手洗い
体調管理
具合が悪いときは、料理を作らないようにしましょう。
下痢、嘔吐、発熱。
この3つの症状がある場合、ノロウィルスが体内で暴れている可能性があります。
ノロウィルスは感染力が強いです。
年中、ノロウィルスによる食中毒は発生している報告は聞きます。
下痢、嘔吐、発熱、頭の中に入れておきましょう。
具合が悪そうなスタッフがいる場合は、お互いに声がけができるように、日頃からのコミュニケーションは欠かせません。
仲の良いスタッフの関係作りが、食中毒予防にも繋がります。
手洗い
衛生は「手洗いに始まり、手洗いに終わる」と言うくらい、手洗いは大切であり、
基本中の基本の作業です。
さまざまなポスターがネット上にもありますが、基本的にはみんな同じです。
順番が違う程度です。
手順に沿って、力をいれてよくこするように洗いましょう。
そして肝心なのが2度手洗いです。
1回だけでなく、2回手洗いを行うことで、洗浄効果が増します。
必ず、2度手洗いを行ってから料理作成をしましょう。
習慣化
そして知識は習慣になって初めて役に立ったと言えるものです。
知識を行動に移し、継続することで習慣化させましょう。
①知らない→②知っている→③やってみる→④わかる→⑤できる→⑥している
①知らない 知識が無い人には
②知っている 知識を与え、
③やってみる 行動させて
④わかる 理解してもらい、
⑤できる 反復させて
⑥している その作業が当たり前の状態になってもらう。
これが習慣化の流れです。
知識を持つのは②の段階、意識に変えるのは⑥の段階です。
⑥の段階の人になってもらう必要があります。
これらの一つ一つが守られて、次の段階として「おいしい料理」があります。
衛生管理は前提条件です。
衛生環境をより良くし、子供たちに喜んでもらえる料理作りをしたいですね。
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